マラソンで自己新記録を突破する方法
マラソンで自己新記録の壁を打ち破るには...気合いと根性!
というのはひと昔前?の話で、昨今では研究により様々な事が分かってきています。バイオメカニクスやコーチング、コース設計や栄養に至るまで。あらゆるものを最適化してPBを狙いましょう。
1. 平坦なコースを走る
アップダウンが続くと体力が消耗するため、平らなコースの方が効率が良いです。5%の傾斜は平地より50%も多くのカロリーを消費するので、起伏が少なく、スタートからゴールまでの高低差ができる限り少ないコースが、脚への負担を軽減できるといえます。
2. カーブは最小限に
コース上のカーブで、ダメージを与えるのは"急なカーブ"です。90度以上のカーブでは位置取りによっては2〜3mの差がつくこともあります。それに、脚も使うことになります。カーブで減速するのが苦手な人は、カーブで体力を取られてしまう可能性があります。
3. 適切な気温
10年間に約200万人のランナーを対象にしたフランスの調査によると、レース当日の気温が約8℃の場合に、ランナーの最速のタイムが最も更新されました。マラソン当日の平均気温が8℃程度のときに開催される大会に出場すると良いです。
4. 標高は低く
これまでの研究で、標高580メートルを超えるとVO2maxが低下することが分かっています。キプチョゲが2時間を切ったNIKEの「Breaking2」では、科学チームは海抜300メートル以下の場所を目指していました。標高にも注意してみましょう。
5. 風の影響
ランナーにとって、追い風はありがたいです。しかし、向かい風はタイムに悪影響を及ぼします。研究では、追い風 (走っているペースとほぼ同じ速度の風と定義) では1kmあたり3.7秒速くなります。ところが、向かい風では1kmあたり7.5秒遅くなると判明しています。
6. 緑のあるコース
木々が生い茂る並木道のあるコースは、植物の光合成により、酸素が豊富なレース環境を提供します。その環境が、ランナーに恩恵をもたらすという説があります。緑を存分に楽しむことができるコースを選択すると良いでしょう。森林・湖畔・公園などがおすすめです。
7. 体重を減らす
ランニングで使うエネルギーの80%は体重を支え、前進するために費やされています。そのため、体重は重要です。また、福岡大学の田中教授による、VO2maxをもとにした計算では、体重が1kg減るとフルマラソンのタイムが3〜5分縮むといいます。
8. VO2maxを高める
最大酸素摂取量の日本人の平均値は40mL/kg/min程度です。しかし、サブ4を目指すなら45、サブ3を目指すなら60~65。サブ2を目指すなら86が最低ラインです。VO2maxは、加齢に伴って低下してきます。ですが、短い乳酸インターバルで改善できます。
9. ランニングエコノミーを向上させる
理想的な乳酸閾値とV02max とともに、最適なランニングエコノミーは、PB更新を叶える可能性があります。脚の機能とエネルギーリターンを改善するといわれている裸足でより多くのダウンタイムを過ごすことで、ランニングエコノミーを改善してください。
10. ペースを保つ
研究によると、初心者ランナーがトレッドミルのペースを一定にコントロールすると、より速く走ることができることがわかりました。ペースが変わると、乳酸の蓄積はさらに悪化します。そのため、一定のペースでレースを走ることを目指しましょう。
11. フォームを気にする
イギリスの大学の研究によると、自分の体に過剰な力が入っていないかどうかを気にするのではなく、ランニングフォームに集中することで、同じレベルの努力を維持しながらより速く走ることができるそうです。
12. 硝酸塩摂取を減らす
硝酸塩は、体内で一酸化窒素に変わり血管を拡張し、筋肉への血流を増加させ、パフォーマンスを向上させる効果があります。研究では、硝酸塩を多く含むビーツジュースを飲んだアスリートたちは、持続力や酸素消費の効率などを示す数値が向上したといいます。
13. 賢く飲む
運動中には脱水量が体重の2%を越えないよう水分を摂取することを推奨しています。また、電解質と糖質を含んでいるものがよいとしています。適度に糖質を含んだ飲料は、体内ですばやく水分補給効果を発揮することが期待できます。
14. カフェインを摂取する
サプリをランク付けしているオーストラリアのスポーツ科学研究所は、カフェインをトップレベルのクループAとしています。カフェインには、平均3.2%のパフォーマンス向上、10%の筋肉痛軽減、30%の脂肪燃焼アップなどの効果があるとされています。
15. より軽いシューズ
最近の研究によると、シューズの質量を100g減らすと、レースタイムを約1%短縮できるそうです。軽量化されたシューズは、ランニングの経済性を向上させます。そして、クッション性も向上させます。最大限軽いということで裸足を選ぶ必要はありません。
16. 応援される
ペンシルバニア大学の2002年の研究で、トレッドミルテストを行うランナーは、定期的に励まされるほど、より強くプッシュすることができました。大勢の観客が集まるレースを選んだり、自ら応援団を結成することでPBが更新できる可能性が高まります。
17. 友人を見つける
研究で、持久系アスリートは、グループでトレーニングをすると、脳内のエンドルフィンがより多く分泌され痛みに弱くなることがわかりました。このことが「グループフロー」と呼ばれる現象につながり、全員のパフォーマンスが向上することを示唆しています。
18. ソーシャルパートナー
近年の研究で、ソーシャル上での励ましは、もっと頑張ろうという気にさせることを発見しました。全力疾走のタイムトライアル中に幸せな顔がスクリーンに映し出されるされるのを見ると、被験者は12%長く持ちこたえることができました。