30kmの壁を乗り越える最新プラン
30kmの壁とは?
マラソンではグリコーゲン(糖)を主なエネルギー源としています。グリコーゲンが枯渇してくると、体内の脂肪をエネルギー源とします。ランナーが体内に蓄えているグリコーゲンの平均は、1500〜2000カロリー程です。対して、脂肪からのエネルギー量は、1gあたり9カロリーで、体重60kgで体脂肪10%のランナーなら54000カロリーを保持していることになります。脂肪から得られるエネルギーは大量にあります。しかし、グリコーゲンに比べると素早くエネルギーに変えることができません。また、脂肪を燃焼させるためにはグリコーゲンを使います。よって、結果的にグリコーゲンが枯渇すると、エネルギー切れとなってしまいます。
その枯渇が、30km地点あたりで起こるので、30kmの壁と言われています。マラソンやウルトラマラソンなど90分以上のレースでは、最後まで糖をどう残すかということが重要となります。
30kmを乗り越えるための補給
30kmの壁を乗り越えるためには、炭水化物を補給する必要があります。エナジージェルやゼリーが補給食として適しています。消化に負担がかかる固形物の炭水化物を摂ると、胃腸トラブルにつながりやすいので注意しましょう。アメリカスポーツ医学会によると、長時間のランニングでは、0.7gの炭水化物(糖)/kg体重/時間を消費すると、持久力を向上させることができると言います。日本人市民ランナーの平均体重を女性49.9㎏、男性64.1㎏とすると、日本人ランナーがレース中に補給すべき炭水化物(糖)の目安は、1時間に平均的な女性で35g、平均的な男性で45gが適量となります。
摂取のタイミング
※ 摂取タイミングはあくまで目安です。レース中の自身のコンディションに合わせて少しずつ糖分を補給することが大切です。
新しい補給の概念
レース中の糖分補給食を選ぶ際に最も重要な基準は、効率よく素早く吸収できるかです。より吸収率の良い糖分を選ぶことで、糖分が素早くエネルギーに転換されます。市販のエネルギージェルやゼリーは、糖・ミネラル・カフェインを主成分とするものがほとんどです。しかし、米テキサス大学の研究で、3大栄養素(糖質・タンパク質・脂質)を一定のバランスで配合してレース中に摂取したアスリートはパフォーマンスを最大20%向上させることができると判明しました。海外コーチは、3大栄養素のほかに、コンディションを調整するためのビタミン、ミネラルの摂取も推奨しています。これは、様々な栄養が複雑に相互作用し身体が動くためです。
5大栄養素でパフォーマンス向上
30kmの壁を乗り越え、完走するためには、5大栄養素の補給が最適です。しかし、市販のものにはなかなか5大栄養素が含まれているものがありません。海外コーチが推奨する、5大栄養素入りの補給の作り方をご紹介します。
【作り方】