マラソンでおすすめのカフェイン代用品
ランナーとカフェイン
マラソンのレース前にコーヒーを摂取したり、レース中にカフェイン入りのエナジードリンクを摂取するランナーは大勢いると思います。カナダの医学雑誌『Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism』によると、何らかの形でマラソン中にカフェインを摂取している割合は73%にものぼることが分かりました。
カフェインの影響
しかし、カフェインを過度に摂取すると、めまい、心拍数の増加、筋肉の震え、下痢、吐き気をもたらすことがあります。そのため、マラソンのレースを完走できない要因の一つとなります。日本ではカフェインの最大摂取量は設定されていません。しかし、カナダの保健省では健康な成人で1日400m以下と設定されています。
覚醒効果は幻である
カフェインには交感神経を刺激する作用があります。そのため、「疲労感の抑制」や「運動能力の向上」といった効果があると考えられます。しかしこれらの効果は、多幸感や快感に似た感覚を引き起こし、脳の疲労感を一時的に隠すことで効果を得ています。つまり、脳の疲労は根本的には癒されていないのが事実。カフェインによって覚醒しており、効果が切れるとむしろ疲労感が強まるという傾向があります。
カフェインの代用品「ペパーミント」
では、カフェインに頼らずにマラソンを完走するにはどうしたら良いでしょうか。近年、欧米ランナーの間で注目されているのは「ペパーミントエッセンシャルオイル」です。ペパーミントにはカフェインが含まれません。しかし、カフェインと同様に中枢興奮作用があり、多幸感や快感を促す脳内ホルモンであるドーパミンの分泌を促進する働きがあります。そのほか、胃腸トラブルの改善、筋肉痛などの鎮痛効果、抗炎症効果などもあります。
研究でパフォーマンスUPが実証!
国際スポーツ栄養学会誌『Journal of International Society of Sports & Nutrition』に掲載された近年の研究では、経口摂取によるペパーミントオイルのマラソンでのパフォーマンスの効果が明らかとなりました。
ペパーミントオイル0.05mlを飲料に入れ10日間連続摂取し比較しました。結果は、運動能量は51%向上。パワーは20%向上。疲労を感じるまでの時間は25%短くなりました。そのほか、呼吸機能、血圧、心拍数を改善しました。
引用:Meamarbashi A, Rajabi A. The effects of peppermint on exercise performance. J IntSoc Sports Nutr. 2013 Mar 21;10(1):15. doi: 10.1186/1550-2783-10-15.